
域科目から構成され、各領域での主要な課題を明らかにし、それらの課題に対するアプローチの方法を示すための科目として位置付けられている。同研究科カリキュラムの中核であるプロジェクト科目は、11の主要テーマをさらに2〜4の視点からアプローチするしくみになっており、それぞれに1〜6人の担当教員を配している。同研究科では、このプロジェクト科目の意義を「蓄積された知識を欧米からの輸入で済ますことができた時代とは異なり、現在では、研究と教育の接近が図らなければならず、教育の内容も既存の知識を教えることから」歩進んで、新しい問題を発見し、これらを自ら解決していくプロセスそのものを体得させる時代を迎えている」との認識のもとで、高度な職業人とは、こうしたスキルを身につけた人間を指すものであり、プロジェクトはこのような養成に応えた研究教育手法」として、その重要性を強調している。定員が1学年150名という同研究科の特殊性や政策とメディアという複合性を考えるとこのプロジェクト科目の導入は、同研究科の大きな特色ということができよう。なお、同研究科では1996年4月博士課程の設置した。修士課程では「政策・メディアという研究領域の創出を目指して、政策・組織、環境、メディアの3つの研究・教育を構成し、かつ、それらのコラボーレーションをめざ」しているのにたいし、博士課程では「修士課程の3つの領域を融合化し、それらを越える研究領域の創出」することを目的とする。また、博士課程では、とくに、ネットワーク的な研究体制を重視し、メディアを単なる情報通信の道具として位置づけるのではなく、「相互依存関係の中でわれわれが存在する空間自体を含んで」いるものとしている。すなわち、これによって、「政策・組織、情報空間、都市・地域空間・建築などの分野を従来とは根本的に異なったもの」とする可能性を示唆している。また、同様に、中央大学大学院、同志社大学大学院でも、博士課程を設置し、政策科学系教育の発展に寄与している。なお、同志社大学大学院博士課程は昼夜開講制として、社会人、実務家にも門戸を開いている。
2. 政策科学関連の高等教育機関と自治体の連関
これらの大学と自治体の連関には、さまざまなケースが考えられるが、その主たるものとして次の2つが考えられよう。ひとつは、これらの卒業生が自治体職員となって活躍する場合、そしてもうひとつは現職の自治体職員がこれらの高等教育機関に入学する場合である。卒業生が自治体の職員となる前者の場合には、学部レベルの政策科学関連学部の卒業生に期待がかかる。前述したいずれの学部もその卒業生の就職先として自治体を想定し
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